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公正証書で和解する意味

2014.10.03

1.   私署証書か公正証書か、という問題
敷金返還に関する紛争の話し合いが合意に至ったとき、離婚の際の財産分与や養育費の支払いを取り決めたとき等においては、当事者間で合意書を交わすのが一般的です。
 
さて、この合意書は、私署証書(私人間での合意を記載した文書)で交わすべきでしょうか?それとも、公正証書で交わすべきでしょうか?

この問題に対する答えは、取り決めの内容により決まってきます。取り決めの内容が金銭の支払いを内容とするものである場合は、公正証書を用いるべきです。    


2.   強制執行のためには債務名義が必要
上のように言う理由は、民事執行法第22条5号にあります。

この条項において、「金銭の一定の額の支払・・を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」が、強制執行を行うために必要な債務名義となると定められています。

  いくら合意が成立したからといっても、そこで取り決められた事項(債権債務の関係)が履行されないことには、意味がありません。そこで、そのような場合の多くにおいて、強制執行という手段で、債権を強制的に満足させる必要が生じます。

  ところが、強制執行は他人の財産権に対する侵害ですから、そう簡単に行うことは出来ません。そこで強制執行の手続きを定めた民事執行法は、「債務名義」という債権の存在を公的に証明する文書があって初めて、強制執行を行うことができるという規律を設けているのです。

  債務名義の代表的なものは、確定判決です。

例えば、私署証書に記載された債権に基づいて、債務者の財産に強制執行をかけようとするならば、債務者を被告として訴訟を起こし、勝訴判決を得る等の手続きを踏まなければなりません。私署証書は、訴訟手続きにおいては、債務名義ではなくて、債権を証する証拠の一つでしかありません。

  これに対して、同じ合意が公正証書でなされていれば、一定の条件のもと、この公正証書自体が債務名義となり、これに基づいて強制執行を行うことができるのです。

  ただし、公正証書が債務名義たるためには、一定の条件があります。それは、以下の2つです。

①    金銭の一定額の支払を内容とする債権の取り決めであること。
②    債務者が、直ちに強制執行に服することを承諾する旨の記載(=執行認諾文言)があること。


   以上のような公正証書のメリットを理解していれば、裁判外でも実効性のある合意・和解を結ぶことができます。



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